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昔昔、ピンクレディーが世間でフィーバーしていた頃、目の細い男の子が生まれた。
その男の子は、小さい頃から、モノを作るのが好きだった。

ある日、少年は、「秘密基地」というものを作りだした。
図画工作が大好きな少年だったから、基地を作るのは、お手の物だった。

だが、それは、日に日に、巨大化していき、周辺の空き家を飲みこんでしまうほど。
もう、それは「秘密」の基地などと呼べるものではなかった。
当時住んでいたマンション史上類を見ない最大版図誇る巨大な「要塞」へと変わっていた。

少年は歓喜した。
自分の力で、こんなに立派なものが出来上がった!
もっと!もっと!
少年は、さらに、裏山から、がらくたを持ちこみ、要塞を堅牢なものに、膨れあがらせていった。

しかし、ある日、全く秘密ではなくなった巨大な要塞は、悪の魔女軍団ママンたちに目をつけられた。
魔女ママンたちは、地域の会合の末、要塞撤去へと踏み切ったのだった。
半年に渡って築城した栄華は、ママンが召喚した「ギョーシャ」の力の前に無に帰した。

こうして、大人たちに眉をひそめさせたがらくたの塊はなくなった。
少年は、そっと心に誓うのだった。

「やり過ぎは、良くない。ほどほどが良い」


そして、少年は大人になり、演劇という名の光り輝く泥沼の国に冒険に旅立つ話は、またこんど。

めでたしめでたし。